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宿のお話
2020.03.15

奇跡的に残存した建築図から復元された、大洲城天守で過ごす至高の一夜。

日本初、天守に泊まる贅沢

大洲城の完全復元された木造天守に宿泊。
1617年の城主、加藤貞泰の入城再現を目前で観覧し、
日本初、貸し切りの木造天守で夜を明かす。
重要文化財「臥龍山荘」での殿様御膳を堪能し、
大洲城主のひとときを追体験。
欧州では古城を改装し、宿泊できる宿は数多い。大洲城では、木造天守そのものに宿泊が可能になった。大洲城は、明治時代に一部を残して天守閣が廃城となったが、残るはずのない当時の建築図や木造雛形が現存していたことから、奇跡的に木造で完全復元された稀有な城。
法螺貝の音が響き、鉄砲隊がお迎え
夕刻とともに法螺貝の音色が大洲城に鳴り響き、入城が始まる。「城主体験」たる理由がここで明かされる。米子藩から、馬に乗って大洲に入城する城主を、幟隊や鉄砲隊が待ち受けているのだ。ここでお客様は“影武者”として入場を許される。鉄砲隊による歓迎の祝砲が放たれれば、家老によって城内へと導かれる。1617年の城主、加藤貞泰の入城シーンを丹念に再現しており、まるでタイムスリップしたかのような感覚で、演出を間近で見ることができる。
その後は、大洲が誇る伝統芸能を観覧。本丸で繰り広げられる雅楽や神楽は、まさに圧巻。山鳥坂鎮縄神楽や鵜飼など、お客様の希望によって多彩な選択ができる。タイムスリップをしたまま、殿様気分で鑑賞したい。
静寂の天守に泊まる
時の城主加藤貞泰も本丸で過ごしたとされる。天守1階に、障子と畳敷きで寝室が用意されている。特別なその天守には、現代において便利だと重宝されるものは殆どない。あるのは自分自身や過去や未来と向き合うことができる時間。もしかすると殿様たちも、そうして自らや国の前途を案じていたのかもしれない。大洲城は、まさに歴史の追体験ができる文化財だ。当時の貞泰公に思いを馳せながら高欄櫓から眺める月を、この先忘れることはないだろう。
天守は4階まで自由に行き来することができ、読書台も置かれる。風や月明かりによって、次第に気持ちが静かになっていくのがわかる。浴室は二の丸に設置され、肱川の畔に浮かび上がる大洲城を眺めながら旅路の疲れを癒す。
格別な地産で愉しむ夕餉
格別な一皿にめぐり逢うことを、旅の目的とする人は少なくないだろう。夕食も城内にて。大洲産や愛媛県産の素材を厳選し、この地ならではの料理に新しさを織り交ぜた殿様の献立だ。秘蔵の地酒との至福のマリアージュを堪能できるのも、大洲城キャッスルステイの醍醐味のひとつ。
里の幸
「いもたき」は藩政時代から伝わる。肱川が運んだ肥沃な土で育った里芋を、鮎からとった出汁で炊く。柔らかく濃厚な里芋は、大洲では「夏芋」とも呼ばれ親しまれる。素朴ながらも滋味に富む、この地を象徴的する一皿だ。
旬のもの
当時の加藤貞泰が食したであろう献立に、現代の表現を加えて盛り付け。おもてなしの饗応料理として、お殿様の仰せの通りの食材を集め、最高の技術で調理される。砥部焼の器は、加藤家が藩財政の再建のため作らせた陶磁器。
海の幸
お殿様の食卓には、愛媛・大洲ならではの贅を尽くした至極の一皿が並ぶ。瀬戸内の潮流に育まれた知る人ぞ知る海の幸や、肥沃な土で収穫された山の幸など、大洲城でしか食せぬ繊細でふくよかな美味だ。
数寄屋建築の傑作、「臥龍山荘」で朝食を。
朝靄に包まれた景勝地の山荘を貸し切って朝食を頂く贅沢。静寂の中へと足を踏み入れれば、深々とした空気が身体に流れ込んでくる。饗応料理としての殿様御膳に舌鼓を打ち、臥龍淵に生きる鳥や草木の声に耳を澄ませば、本来の“旅”や“時間”とは何たるかを知ることができるかも知れない。それほどの“特別”がここにはある。
臥龍淵に佇む稀有な山荘
肱川の景勝地、臥龍淵にある。国の重要文化財に指定される。数寄屋造りなどの建築美や美しい日本庭園を味わうことができ、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンの一つ星に選出された。
臥龍淵に佇む稀有な山荘


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