肱川あらしとは、晴れた日の朝、上流の大洲盆地で発生した霧が肱川沿いを強風を伴って河口に流れ出すという世界的にも珍しい自然現象のことである。その強風はゴォーゴォーとうねりをたてて吹き抜け、大規模な時には霧が沖合い数キロに達し、風速は河口付近にて10m以上が観測される。
冬の風物詩として、例年10月頃から翌年の3月頃まで発生するが、様々な条件が揃わないと見ることができない。陸風がない場合は雲海として楽しむこともできるが、霧が川沿いを大移動してうねりながら河口に流れ込む様は、まるで白い龍のような神秘的な光景になる。
なかなか見ることができない貴重な現象だが、地元住民らによる「肱川あらし予報会」や、岡山理科大学の大橋教授が制作した「肱川あらしAI予報システム」による予報も参考にすることができる。
ビュースポットとして「肱川あらし展望公園」や「長浜大橋」で眺望を楽しむことができる。