麟鳳閣は、新谷藩の陣屋内に存在した建物の一つである。幕末の1868年に建築され、評定所や謁見所の役割を果たしていたと考えられている。廃藩置県以降は、一時、新谷県庁舎として、また1872年からは令教小学校(現・新谷小学校)の校舎としても利用された。建物の構造は、木造平屋建・入母屋造りの桟瓦葺きになっており、内部には付書院などを設けた格式の高い「一之間」のほか、4つの「次の間」で構成され、部屋の周囲には幅1間の畳敷の廊下が巡らされている。建物への細工は少ないものの、格調高い豪快な造りであり、陣屋跡に唯一残る建物として貴重なものである。