新鮮で安心な食材を使って、長きにわたり真っ直ぐに漬物と向き合ってきた。社長の玉井正一郎曰く、「本物の漬物ほど、余計なものを一切使ってない。」と。時に水害に見舞われる大洲であるが、それを逆手に取れば栄養豊富な土が水によって運ばれてくる恵まれた土地であるとも語る。素材の旨みを最大限引き出すよう、シンプルかつ繊細に漬けることにこだわる玉井民友商店は、漬物の真髄を教えてくれる。
高菜、筍、椎茸、海産品。多くは大洲の地元新鮮素材を使う。漬物には、日本人の知恵が詰まる。倹約令が敷かれるような江戸の貧しい時代に、身近にある食材をなんとか美味しく、日持ちするよう知恵を絞ったことで、漬物文化は大きく発展を遂げたと言われている。
昭和から全くレシピが変わらない漬物もあれば、あれやこれやと日夜試行錯誤した新作も多い。