肱川(ひじかわ)は、愛媛県南予地方を流れる一級河川。源流は標高460m地点にあり、474本の支川を束ねながら瀬戸内海へ抜けていく。支川の数は全国でも五本の指に入る。源流から河口までは直線距離で僅か18キロだが、名にある通り肘のように湾曲し、川の全長は103キロに及ぶ。一節では、肘のように曲がりくねっていることが、その名の由来だそう。
かつての肱川は山間域で伐採された木材を、河口に運搬するための“水の道”として活用されていた。現代も大洲に残る「うかい」や「いもたき」といった文化も、紐解けば肱川と共に歴史を積み重ねたもの。肱川は、大洲の人々の暮らしになくてはならないものである。
一、おおず 城下のお舟めぐり
二、お舟からの景色
三、その他の“お舟”
四、大洲の愉しみ方
(※臥龍山荘ルートは、6月1日~9月20日まで)
肱川には、屋形船がうかぶ。観光客はそれに乗り、城下町をめぐることができる。船からしか見ることのできない城下町の町並み、観光名所を眺める優雅なひととき。肱川をめぐる定期船「おおず城下のお舟めぐり」の運航は2022年7月に開始となった。
肱川をめぐる定期船「おおず城下のお舟めぐり」。1日5便(1周約50分)運行しており、「大洲城」や肱川の風景をお愉しみいただけます。
大洲観光総合案内所(まちの駅あさもや内)またはおおず赤煉瓦館で、チケットを購入してください。
【営業時間 9:00~17:00】
※チケット購入時に、乗船時間を指定していただきます。
乗船時間5分前までに、「高河原のりば」へお越しください。
高河原のりば
1便 10:00出発
2便 11:00出発
3便 13:00出発
4便 14:00出発
5便 15:00出発
大人 1,100円 / 子供(中学生以下)550円
※幼児無料
定期運行船は大洲観光ついでにいつでも気ままに乗船可能。静かで涼やかな肱川の流れを感じたい時、水面に映る水景が美しそうだと思いたった時、ふらりと乗船してみたい。臥龍山荘、不老庵を下から見上げてみたり、水景に反射する大洲城、桜に包まれた大洲城、川の中に泳ぐ鮎…思いがけない瞬間に、出会うことができるかも。
風の穏やかな日は美しい水鏡を愉しむことが出来る
肱川湖畔に暮らしを営んできた大洲の風情を感じられる
肱川にはいくつかお舟での遊覧プランがございます。
川風に吹かれながらゆったりとした気分で肱川の流れを体験。
事前予約制で遊覧しながらお食事を愉しむこともできる。
「大洲のうかい」は日本三大うかいと称される。篝火を炊いた鵜匠船と客船の屋形船が併走して川下りをする、国内でも珍しい「合わせうかい」という手法で行われ、鵜が水飛沫をあげながら魚を獲る光景を間近で見ることができる。鵜を操る鵜匠は烏帽子に腰蓑姿をしており、巧みな手縄さばきは息を吞むほど見事である。
初心者の方でも安心なガイド付き。道の駅 清流の里ひじかわ集合後、30分間のカヌーレクチャーを実施。肱川の穏やかな流れは初心者の方にも優しく、ガイドも同行する安心なカヌー体験。大洲の人々の生活に密接した肱川だからこそ、体験を通じてこの地の暮らしぶりを垣間見ることができる。
肱川の恵みにより栄えてきた町、大洲市。江戸時代、城下町として栄えた古き良き町並みは今もその面影を色濃く残す。肱川湖畔に佇む美しい城下町を是非ごゆるりと。
城下町大洲で暮らすように泊まることができる古民家宿、肱川上流に静かに佇む温泉宿など、逗留することは、旅先を深く知る喜びをもたらす。大洲の人々や暮らし、時間の狭間に身をゆだね、盆地を流れる穏やかな風と肱川のせせらぎに耳を澄ます。飾られた場所ではなく、ありのままの町や空間の中で、特別な滞在を。
大洲城下町には大洲城、臥龍山荘など肱川とともにある名建築が並ぶ。大洲城は江戸時代初期、築城の名手と謳われた藤堂高虎、または脇坂安治の時代に築城された。
新緑や紅葉が鏡のように映る青く澄みわたる臥龍淵の水面。その美しさに惚れ込んだ地元の名士・河内寅次郎は京都の名工を招聘し、氏の別荘として建築した臥龍山荘。国の重要文化財に指定され、数寄屋造りなどの建築美や美しい日本庭園を味わうことができる。2011年に、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンの一つ星を獲得。また、夢の美術館 世界の名建築100選にも選ばれている。
大洲藩、六万石の城下町。殿様への献上品として培われた、職人による妙味。四百年、絶えることなく受け継がれてきた銘菓や、山から海へ、悠々と流れる肱川によりもたらされた、海・山・川の幸、肱川の上流で、蔵人によって手塩にかけて育てられた清酒など、流れに寄り添い生きる先人の知恵がもたらした、風土の食をいただく。