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大洲の徒然話
2024.05.21

大洲の文化を育んだ、肱川の恵みを愉しむ。

肱川の恵みを楽しむ

愛媛県南予地方を流れる一級河川、肱川。

「川魚」や「いもたき」などの食。

川の道として利用された「産業」。

大洲の風物詩である「鵜飼」。

このような大洲の歴史は、肱川とともに紡がれてきた。

近年では、大洲に根付く肱川の魅力を広めるべく、

カヌーやSUPなどのアクティビティ、かわびらきイベント、マルシェなど、

肱川を有効活用する動きが活発になっている。

 

 

大洲に根付く川、肱川

「ひじ」のように大きく曲がる肱川は、おおよそ103kmの道を経て瀬戸内海に流れ込む。

支川数474河川は全国5位、源流から河口までの直線距離わずか18kmを緩やかに蛇行しながら流れている、実にユニークな川である。

また、大洲はもともと港を意味する「津」という文字を使い「大津」と称されており、主に木材運搬の道として利用されていた歴史もある。

そんな肱川では現在、カヌーやSUP、お舟めぐりやイベントなど、様々な楽しみ方が提案されている。

 

新たな憩いの場「しろしたかわみなと」の活用

現在、肱川沿いの大洲城下に新たに整備された「しろしたかわみなと」では、カヌーやSUP、イベントが開催されている。

大洲市では2018年から、肱川沿いの整備・利用を活性する「肱川かわまちづくり」に取り組んでいる。

その一環として、「しろしたかわみなと」エリアではキッチンカーを呼べるような広場や、年齢問わず利用できるユニバーサルデザインを導入した空間に整備された。

その「しろしたかわみなと」では、多くの人が肱川を楽しめるよう、2023年から「おおずプラージュ」が夏季限定で開催されている。

肱川沿いにパラソルやチェアを置くことで、地元の人や観光客がくつろげる空間になっており、カヌーやSUPも気軽に体験することができる。

 

 

肱川に新しい文化を

この「おおずプラージュ」を企画・運営しているのは大洲市の地域おこし協力隊である杉井太一さんである。

杉井さんは2022年に大洲市の地域おこし協力隊に着任し、肱川かわまちづくり事業に取り組んでいる。

肱川をもっと遊び場にしたいという信念のもと、地域の人が楽しめるよう、先述したおおずプラージュを始め、鵜飼・お舟めぐりの船頭、カヌーのインストラクター、肱川を活用したイベント等を行っている。

「こういうのは仕事と割り切ると難しいんです。人生でやらないと。」

そう語る杉井さんと肱川との関わりは小学校のカヌー体験から始まった。

カヌー体験をきっかけにカヌークラブに加入、高校時代にはカヌー部でインターハイ8位入賞や愛媛国体5位入賞など、肱川とともに育ったと言っても過言ではない。

そんな杉井さんは、肱川を利用する人が減ってきた現在に憂いを覚え、肱川に新しい「文化」を創るべくおおずプラージュを始めた。

日常的におおずプラージュにパラソルやキッチンカーがあれば人が集まり、遊び場ができる。

それを文化にするというのが杉井さんのビジョンだ。

 

また、昨年からは肱川を活用したイベント「肱川かわびらき」の運営にも携わっている。

肱川かわびらきでは、カヌーやSUP体験はもちろん、テントサウナやキッチンカーの出店などが行われる。

これも杉井さんの語る「文化」のきっかけなのだろう。

 

 

肱川に行くと誰かに会えるかもしれない、何か食べられるかもしれない、体験できるかもしれない。

肱川との関わり方は人それぞれだが、その選択肢を用意することこそが自分の役割だと語る。

 

 

お舟めぐりで肱川を楽しむ

宮岡さんは鵜飼・お舟めぐりの船頭であり、「はたご屋霧中」、「Cafe 霧隠れ」、「PIZZA HOUSE F.O.G」のオーナーをはじめ、実家の果樹農家、カヌーインストラクターなど、様々な形で活躍している。

また、大洲市のイベントにも精力的に参加し、大洲産の野菜を使用したピザの販売などを行っている。

宮岡さんもまた、大洲や肱川に対して人一倍熱い想いを持っている方だ。

もともと祖父が鵜飼の船頭をやっており、子供のころから川で遊んでいたのが楽しかったという思い出が、宮岡さんが船頭を始めるきっかけだった。

「前職での中国赴任やカナダで生活していた際に、地元である大洲の魅力を説明することができませんでした。その経験から大洲にUターンした後は研修やイベントに参加することで、大洲の魅力を知ることができたんです。」

それが宮岡さんが様々なことに大洲で挑戦するきっかけとなった。

実は大洲に住んでいる方は肱川で鵜飼やお舟に乗ったことがない方が多いのが現状である。

宮岡さんがお舟めぐりの漕ぎ手を行う背景には、地元の方がもっと川に親しみを持ってほしいという想いがある。

宮岡さんが語る肱川の良さは、肱川は時間がゆったりと過ぎる感覚と居心地の良さ。

お舟めぐりのお客様に肱川の良さを伝えることができるよう、日々工夫をしながら漕ぎ手を担っている。

「自分自身が楽しむことが大切。結局楽しいからやっているし、自分が楽しまないと他の人に勧められないですよ。」

その言葉通り、宮岡さん自身が大洲を楽しんでいるからこそ、大洲の方にも観光客の方にも大洲の素晴らしさが伝えられるのだ。

 

おおず 城下のお舟めぐり

「おおず 城下のお舟めぐり」は、2022年7月から始まった肱川をめぐる定期船である。

毎年夏の期間になると、大洲の城下町の肱川沿いに屋形船が浮かび、大洲城や臥龍山荘などの観光名所を船上から楽しむことができる。

今回紹介したお二人も、この「おおず 城下のお舟めぐり」の船頭を担当している。

是非、お二人が語る肱川の良さを体感していただきたい。

 

 

 

 

 

それぞれの楽しみ方を

今回紹介したお二人以外にも、多くの方が肱川活用に携わっているが、肱川の活用はまだまだ始まったばかりである。

是非大洲に訪れて、肱川の楽しさを体感してほしい。

 

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