伝統文化・歴史

江戸時代初期、築城の名手と謳われた藤堂高虎、または脇坂安治の時代に築城された大洲城。
続いて入城した加藤家が、城主として明治維新までこの地を統めた。
好学を藩風とする大洲藩の頃から、脈々と受け継がれる殿様文化。
畔に佇む大洲城
畔に佇む大洲城
大洲城は、この地に生きた人々の、想いをあらわすものだと知る。
朽ち果てていた木造天守の、10年におよぶ復元物語は
本来なら残るはずのない当時の雛形が発見されたことから始まった。
古写真や木組みの模型を頼りに、往時の姿を取り戻した天守は、
樹齢三百年の木曽檜の心柱が貫いた四層四階。
城郭建築特有の木組みは重厚、それでいてしなやかな美しさを湛えている。
頬を撫でる肱川の風、檜のやわらかな肌触り。
幾多の時代を経て甦った名城の、歴史の薫りが鼻を掠めた。
奇跡的に残存した図面から復元された、天守で過ごす至高の一夜。キャッスルステイ、始まる。
かつて、この地を統めた大洲藩主のように
一国一城の主となって、天守から見下ろす景色は如何程か。
木造天守に泊まるという、日本で初めての体験。
粋を極めた名建築、臥龍山荘。
粋を極めた名建築、臥龍山荘。
川面に浮かぶ、小舟と月を模した石垣。
ゆらゆらと、肱川に浮かぶ月明かりを映す庵。
侘び寂びの表現、その一つひとつに、名工の粋。
臥龍院、その縁側から臨む景勝はひと時も止まることはなく
穏やかな時間の中に身を置くことの豊かさを教えてくれる。
肱川辺りに佇む数寄屋建築の傑作、
臥龍山荘で四季の表情を愉しむ。
青く澄みわたる臥龍淵の水面には、新緑や紅葉が鏡のように映る。その美しさに惚れ込んだ地元の名士・河内寅次郎は京都の名工を招聘し、氏の別荘としてこれを建築した。
お殿様の寺
木々に覆われた冨士山の中腹に、ぽっかりと開けた境内。
何かに守られているような、そんな気配すら感じる幽玄な佇まい。
如法寺は、大洲藩二代藩主であった加藤泰興公が
再興した臨済宗の寺院で、加藤家の菩提寺。
十三代にわたり大洲藩を統めた加藤家の、七藩主がこの地に眠る。
如法寺
平成27年に保存修復工事が行われ、建立当時の姿へ戻された入母屋造本瓦葺の仏殿。龍の天井画が美しい内部には、金色に輝く釈迦如来像が安置されている。
川舟とうかい
川舟と鵜飼い
初夏の爽やかな風を受け、
屋形船から臥龍山荘を間近に仰ぎ見る「臥龍の渡し」
篝火の灯るなか、鵜匠が鵜を巧みに操り鮎などを捕らえる「鵜飼」
清流肱川で生まれた伝統が風物詩となり、今に伝わる。
舟上のひと時は、水の音や葉ずれ、刻々と変わる空の色がやけに鮮やかだった。
大洲のうかい
伝統的な装束に身を包んだ鵜匠が、小舟の上から鵜を巧みに操り鮎を捕らえる。揺らぐ炎に照らし出された其処へ、屋形船でにじり寄り、迫力の光景をその目に。